日本ではまだあまり知られていないかもしれませんが、ルーマニアは4000年前からワイン造りを行う、長い歴史を持つワイン産地です。
本日はそんな「ルーマニアワイン」について詳しくご紹介いたします。
目次
ルーマニアの基本情報
ルーマニアはヨーロッパの南東に位置する国。セルビア、ハンガリー、ウクライナ、モルドバ、ブルガリアに接し、東は黒海に面しています。
国土の3分の2を山と森林が占め、残りはなだらかな丘陵地帯や平地が広がり、葡萄栽培にとても適した環境です。
ルーマニアという国は、ワラキア公国とモルドバ公国西部が1895年に合併し、成立しました。
1918年にはトランシルヴァニアとベッサラビアも加わり、大ルーマニアとなりました。
1940年、独ソ不可侵条約によりベッサラビアを含め多くの領土をなくしましたが、その後、譲渡していた北部のトランシルヴァニアを取り戻し、現在のルーマニアに至ります。
ルーマニアワインの歴史
ルーマニアのワイン造りの歴史は4000年前にもさかのぼることができ、ヨーロッパ諸国の中でも最も古くからワイン造りを行ってきた国のひとつです。
黒海沿いにあるドブロジャ地方を通じて入ってきた古代ギリシャ人の影響も強く、ダキア時代には既にワイン文化が人々の生活に密着していました。
1880年にはルーマニアの西部でフィロキセラが発見され、わずか4年間で全国に広がり大きな被害を受けましたが、それと同時にアメリカ系品種の研究が進み、フランス系品種(シャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン)も多く導入されるようになりました。
1944年からは共産主義時代が始まり、ワイン造りは国営化し、質より量を重視したチャウシェスク政権により、ルーマニアワインの質は低下しました。
1989年のチャウシェスク政権崩壊後、葡萄畑は生産者に返却。 2007年のEUへの加盟をきっかけにワイン法が見直され、ルーマニアワインは高品質なものへとシフトしていきました。
ルーマニアの気候風土
北緯44~48度(南フランスとほぼ同じ範囲)に位置し、温帯大陸性気候、厳しい冬が少なくありません。
地方により冬の気温は-20度を下回ることもありますが、葡萄畑のほとんどは栽培に適した微小気候の地域に広がっており、黒海の影響を受ける地域ではより温暖な冬がみられます。
また、夏は暑く最高気温は30~35度まで上がることも多い環境です。
ルーマニアワインの葡萄品種
<白葡萄>
○フェテアスカ・アルバ
ルーマニア語では「白い乙女」という意味。モルドバ公国時代から栽培されており、ルーマニアとモルドバ両国の土着品種として知られる古代品種。フローラルでエレガントな香りが特徴。
○フェテアスカ・レガーラ
ルーマニア語で「高貴な乙女」という意味。フェテアスカ・アルバとモルドバ地方のフランクシャとの交配品種。ボディはしっかりとしており、グレープフルーツや白胡椒のニュアンスが特徴。
<黒葡萄>
●バベアスカ・ネアグラ
ルーマニア語で「黒い貴婦人」という意味。モルドバでは“ララ・ネアグラ”として知られる。淡いルビー色で、フルーティーで軽やかなワインに。
●フェテアスカ・ネアグラ
ルーマニア語で「黒い乙女」という意味。古い品種でルーツは不明だが、モルドバとの共通の土着品種。高品質なワインに向いているとして近年多くの生産者の間で注目されている。
国際品種ではメルロー、ヴェルシュリースリング、アリゴテ、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、ミュスカ・オトネル、ピノ・ノワール、ピノ・グリなどが栽培されています。
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