
シャンパーニュ(シャンパン)は、フランスの北東部に位置するシャンパーニュ地方で、タンクや樽ではなく瓶の中で二次発酵を行うことによって造られる発泡性ワインのことです。現在シャンパーニュと言えば辛口のスタイルが主流ですが、実は歴史的には甘口のものが一般的だったことをご存じでしょうか?
19世紀、複数のメゾンが辛口シャンパーニュを世に広め、それが現在のスタイルの礎を築きました。そして近年では、糖分を加えない「ノン・ドサージュ」のシャンパーニュが人気を得ています。
今回は「ノン・ドサージュ」について詳しく解説し、おすすめのノン・ドサージュ・シャンパーニュをご紹介いたします!ぜひ最後までご覧ください。
目次
辛口シャンパーニュの確立

シャンパーニュの味わいは時代とともに変化してきました。19世紀半ばまでシャンパーニュはかなりの甘口スタイルが主流で、その残糖量は「1リットルあたり150グラム」にも達していたと言われています。現在の基準では甘口シャンパーニュの残糖量は「1リットルあたり50グラム以上」のため、19世紀のシャンパーニュにはいかに多くの糖分が含まれていたかが分かります。 このような甘口シャンパーニュは特にロシアの貴族たちの間で好まれ、シャンパーニュの大部分がロシアに輸出されていました。
辛口のシャンパーニュが世に出たのは19世紀後半頃になってからでした。
シャンパーニュ・メゾン「ペリエ・ジュエ」は、1842年に同社初の辛口シャンパーニュを誕生させ、同時期に、「ポメリー」は商業的に成功した最初の辛口シャンパーニュを生み出し、共に辛口スタイルを世に広めました。
歴史的な解釈や記録の違いはありますが、いずれにせよ、こうしたメゾンの革新的な試みがあったからこそ今日の「辛口シャンパーニュ」のスタイルが確立されました。
そして、その進化の先にあるのが、今回ご紹介する「ノン・ドサージュ」のシャンパーニュです。
そもそも「ドサージュ」とは?

まずベースとなるワインを造り、そこにリキュール・ド・ティラージュ(ワインに糖と酵母を加えたもの)を加え、瓶内で再発酵を促します。この過程で炭酸ガスが生まれ、シャンパーニュ特有の、ワインに溶け込んだ細やかな泡が生まれます。
発酵が終わると瓶の中には澱(役目を終えた酵母)が残るため、澱を瓶口に集めるために瓶を動かします(ルミュアージュ=動瓶)。その後、一か所に集めた澱の部分を冷却し、瓶内の気圧を利用して澱を取り除きます(デゴルジュマン=澱引き)。
澱引きした後は極辛口のため、ワインに糖分を加えたもの (リキュール・デクスペディション:門出のリキュール)を添加します。この添加する作業のことを「ドサージュ」と言います。
そして、この時の糖分量によりシャンパーニュの甘辛度が決まります。
糖分添加の少ないのものから順に、

※数値は残糖量です。
このように、ドサージュはシャンパーニュの最終的な味わいを決める重要な工程となっています。
「ノン・ドサージュ」の魅力と特徴

シャンパーニュの味わいを決める重要な工程であるドサージュ。しかし、あえて糖分を加えず、よりピュアなスタイルを追求したものが「ノン・ドサージュ」のシャンパーニュです。
「ノン・ドサージュ」の最大の魅力は、葡萄本来の味わいをストレートに楽しめること。甘みの補正がない分、果実のピュアな風味、フレッシュな酸味、ミネラル感などが際立ちます。そのクリアな味わいは料理とのペアリングにも優れており、特に和食やシーフードなどの繊細な料理や天ぷらなどの揚げ物と相性抜群です。
おすすめの「ノン・ドサージュ」シャンパーニュ
SILVER BRUT NATURE NV
シルバー・ブリュット・ナチュール

【品種】ピノ・ノワール100%
【醸造】瓶内2次発酵。出荷時にデゴルジュマン。ノン・ドサージュ。
【テイスティングコメント】熟したリンゴの果実味とブリオッシュ、ほんのりナッツのアロマ。柔らかく綺麗な泡が舌の上に感じ取れます。フレッシュな酸とふくらみのある果実味が口内に広がり、果実の旨味が余韻まで長く楽しめます。
公式Instagramでは、季節のおすすめワインやイベント情報、最新の入荷情報などをお届けしております!是非フォローお待ちしております。
▼Vintners 公式Instagramはこちら